本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載
数あるインド料理の中でも、特に日本人に人気が高い料理の一つに、バターチキンカレーがあります。そのクリーミーでまろやかな味わいは、多くの人々を魅了してきました。しかし、市販のルーや簡単なレシピでは、本場インドのレストランで味わうような、深みと複雑さのある風味を再現するのは難しいと感じている方もいるかもしれません。この本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載の記事では、ご家庭で手軽に、しかし一切妥協することなく、その伝統的な味わいを実現する方法を徹底的に解説します。
バターチキンカレーは、単にバターとチキンを使ったカレーではありません。それは、ヨーグルトやスパイスでマリネした鶏肉をタンドール(またはそれに近い方法)で調理し、トマト、バター、クリーム、そして様々な芳醇なスパイスから作られる濃厚なグレービーソースと合わせた、まさに芸術品と言える料理です。特に、スパイスの使い方がその風味を決定づける重要な要素となります。クミン、コリアンダー、ターメリックといった基本的なスパイスはもちろん、カルダモン、クローブ、シナモン、そして仕上げに欠かせないカスリメティ(乾燥フェヌグリークの葉)など、多種多様なスパイスが織りなすハーモニーこそが、この料理の真骨頂、「スパイスの魅力満載」たる所以です。
このレシピを通して、スパイスそれぞれの役割や、どう使うことで最大限の香りと風味を引き出せるのかを学ぶことができます。時間と手間をかけることで生まれる、市販品では決して味わえない、豊かな香りと深いコク。それが、本格的なバターチキンカレーの醍醐味です。さあ、キッチンを小さなインドに変えて、五感を刺激する素晴らしい料理を作りましょう。この本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載が、あなたのカレー作りの新しい扉を開くことを願っています。
バターチキンカレーは、インドカレーの中でも特に世界中で愛されている伝統料理です。その人気はインド国内にとどまらず、今や各国料理の代表格として、また世界の味を楽しむ上で欠かせない存在となっています。アジア料理の中でも、特にそのマイルドでクリーミーな口当たりは、辛いものが苦手な方にも受け入れられやすく、幅広い層に支持されています。
バターチキンカレーとは? その魅力と歴史
バターチキンカレー(Murgh Makhani)は、北インド、特にデリー発祥とされる比較的新しい料理です。1950年代にデリーの有名なレストラン「Moti Mahal」の創業者たちが考案したと言われています。タンドリーチキンを作る過程で残ったソースや鶏肉を無駄にしないために、トマト、バター、クリームを加えて改良したのが始まりとされています。この発想が、今日私たちが知るクリーミーでリッチなバターチキンカレーを生み出しました。
その魅力は、何と言ってもその絶妙な甘み、酸味、そしてコクのバランスにあります。トマトの酸味と旨味、バターとクリームの濃厚なコク、そしてスパイスの複雑な香りが一体となり、他に類を見ない風味を生み出しています。辛さは控えめなものが多く、子供から大人まで楽しめる点も人気の理由です。
しかし、その人気の高さゆえに、簡易化されたレシピや既製品も多く存在します。これらは手軽に作れる反面、本来持つスパイスの層や、じっくり煮込むことで生まれるグレービーの深みが失われがちです。本格的なレシピに挑戦することで、その歴史の背景にある工夫や、それぞれの材料が持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。これこそが、自宅で本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載に挑戦する意義なのです。
本格バターチキンカレーの材料(4〜6人分)
本格的な味わいを出すためには、材料選びが重要です。特にスパイスは、できるだけ鮮度の良いホールスパイスや質の良いパウダースパイスを選びましょう。
鶏肉のマリネ用
- 鶏もも肉: 800g〜1kg(一口大に切る)
- 無糖ヨーグルト: 150g
- おろし生姜: 大さじ1.5
- おろしニンニク: 大さじ1.5
- レッドチリパウダー: 小さじ1〜1.5(辛さ調整)
- ターメリックパウダー: 小さじ0.5
- クミンパウダー: 小さじ1
- コリアンダーパウダー: 小さじ1
- ガラムマサラ: 小さじ1
- 塩: 小さじ1
グレービーソース用
- ギー または 無塩バター: 大さじ3
- 植物油: 大さじ1
- 玉ねぎ(中): 2個(粗みじんにする)
- トマト缶(カットトマト): 400g缶 2個
- カシューナッツ: 30g または メロンシード(マグジャ): 30g(ぬるま湯に15分ほど浸しておく)
- おろし生姜: 大さじ1
- おろしニンニク: 大さじ1
- レッドチリパウダー: 小さじ1(または好みで)
- ターメリックパウダー: 小さじ0.5
- クミンパウダー: 小さじ1
- コリアンダーパウダー: 小さじ1
- ガラムマサラ: 小さじ1
- クローブ: 3〜4個
- カルダモン(グリーン): 3〜4個(軽く潰す)
- シナモンスティック: 1本(約3cm)
- ローリエ: 1枚
- トマトペースト: 大さじ2
- 砂糖: 大さじ1〜2(トマトの酸味とバランスをとるため)
- 塩: 適量
- 水: 100ml〜200ml(煮込み用、濃度調整)
仕上げ用
- 無塩バター: 50g
- 生クリーム: 100ml〜150ml(または ヘビークリーム)
- カスリメティ(乾燥フェヌグリークの葉): 小さじ1.5〜2(手で揉んでから加える)
- ガラムマサラ: 小さじ1
- 塩: 必要であれば調整
付け合わせ(推奨)
- バスマティライス
- ナン または ロティ
- パクチー(刻み): 適量(飾り用)

本格バターチキンカレーの作り方
ここからが、本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載の核心です。一つ一つの工程を丁寧に行うことで、格別の風味が生まれます。
下準備
- 鶏もも肉を一口大に切り、ボウルに入れる。
- マリネ用の全ての材料をボウルに加え、鶏肉によく揉み込む。ラップをして、冷蔵庫で最低2時間、できれば一晩マリネする。
- カシューナッツまたはメロンシードをぬるま湯に15分ほど浸し、柔らかくしておく。
- 玉ねぎは粗みじんにする。生姜とニンニクはおろす。
鶏肉を調理する
タンドールがない場合でも、フライパンやオーブンで焼き目をつけることで、タンドリーチキンに近い風味を出すことができます。
- フライパンに油(分量外)を少々熱し、マリネした鶏肉を並べ入れる。中火で両面にしっかりと焼き色がつくまで焼く。(完全に火を通す必要はありません)
- または、200℃に予熱したオーブンで、鶏肉を天板に並べ、15〜20分焼く。(こちらも完全に火を通さなくてもOK)焼いた鶏肉は一旦取り出しておく。
グレービーソースを作る
- 鍋または深めのフライパンにギー(またはバター)と植物油を熱し、カルダモン、クローブ、シナモンスティック、ローリエといったホールスパイスを加える。弱火で香りが立つまで1分ほど炒める。(これを「テンパリング」と呼び、スパイスの香りを油に移す重要な工程です)
- 玉ねぎを加え、きつね色になるまでじっくりと炒める。焦げ付かないように注意しながら、弱火〜中火で10〜15分ほど炒めるのが理想です。玉ねぎをしっかりと炒めることで甘みとコクが生まれます。
- おろし生姜、おろしニンニクを加え、香りが立つまで1分ほど炒める。
- レッドチリパウダー、ターメリックパウダー、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ガラムマサラを加え、弱火で30秒〜1分ほど炒める。(パウダースパイスを油で炒めることで香りが引き立ちます)
- トマトペーストを加え、混ぜながら1〜2分炒める。
- トマト缶(カットトマト)を加え、砂糖、塩(小さじ1程度)を加える。全体を混ぜ、蓋をして弱火で15〜20分煮込む。トマトの酸味が飛び、甘みが出てくるまでしっかりと煮詰めます。
- 火を止め、ローリエ、シナモンスティック、カルダモン、クローブを取り除く。(取り除かなくても良いですが、取り除くと滑らかな仕上がりになります)
- 浸水させておいたカシューナッツまたはメロンシードの水を切り、煮込んだトマトソースと共にミキサーまたはフードプロセッサーに入れる。
- 滑らかになるまでしっかりと攪拌する。必要であれば水を少量加えて攪拌しやすくしても良い。

グレービーソースを濾す(オプションだが推奨)
より滑らかでレストランのような仕上がりにしたい場合は、この工程を行います。
- 攪拌したソースを目の細かいザルやシノワで濾しながら、別の鍋に移す。ヘラなどで押さえつけながら濾すと効率が良いです。
- ザルに残った固形物は、ヘラでこそげ取って少し水を加え、再度濾すなどしてできるだけ無駄なく使う。(風味の元なので捨てない方が良いです)
仕上げ
- 濾したグレービーソースの鍋を再び弱火にかける。
- 焼いておいた鶏肉を加え、優しく混ぜる。
- 水を100ml〜200ml加え、濃度を調整する。(お好みのとろみになるように)蓋をして弱火で10〜15分煮込む。鶏肉にしっかりと火を通し、ソースの味を吸わせます。
- 火を止め、仕上げ用の無塩バターを加え、余熱で溶かしながら混ぜる。
- 生クリームを加え、優しく混ぜる。沸騰させると分離することがあるので、温める程度にする。
- カスリメティを手のひらで揉みながら加え、ガラムマサラを加える。全体を優しく混ぜる。
- 味見をして、必要であれば塩で味を調整する。

これで、本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載が完成です!
スパイスの魅力満載! 本格バターチキンに欠かせないスパイスたち
バターチキンカレーの風味を決定づけるのは、まさにスパイスです。それぞれのスパイスが持つ独特の香りと風味が複雑に組み合わさることで、深みのある味わいが生まれます。ここでは、このレシピで使用する主なスパイスと、その役割について詳しく見ていきましょう。
- クミン (Cumin): カレーの基本的な香りの一つで、独特の香ばしさと土っぽい風味があります。ホールとパウダー両方で使われ、風味の基盤を作ります。
- コリアンダー (Coriander): クミンと同様に、カレーに欠かせないスパイス。柑橘類のような爽やかな香りと、少し甘みのある風味が特徴です。パウダーで使用されることが多いです。
- ターメリック (Turmeric): カレーに鮮やかな黄色い色をつけ、土っぽい独特の風味があります。抗酸化作用など健康効果も注目されています。
- レッドチリパウダー (Red Chilli Powder): 辛味を与えるスパイスですが、色付けの効果もあります。カシミールチリパウダーなど、色が良いものを使うと、より食欲をそそる色に仕上がります。辛さはお好みで調整してください。
- ガラムマサラ (Garam Masala): いくつかのスパイスをブレンドしたミックススパイスで、「熱いスパイス」という意味ですが、辛いのではなく体を温める作用があると言われています。通常、加熱の最後に加えて香りを最大限に引き出します。カルダモン、クローブ、シナモン、ブラックペッパーなどがブレンドされています。ガラムマサラの詳細についてはWikipediaをご覧ください。
- カルダモン (Cardamom): 特にグリーンカルダモンは、「スパイスの女王」と呼ばれるほど芳醇で上品な香りが特徴です。ホールスパイスとして油で炒めることで、その香りを最大限に引き出します。
- クローブ (Cloves): 強烈で甘くスパイシーな香りを持つスパイス。少量でも存在感があり、風味に深みを与えます。
- シナモン (Cinnamon): 甘く温かみのある香りが特徴です。ホールで使うことで、じっくりと香りを移すことができます。
- カスリメティ (Kasuri Methi / Dried Fenugreek Leaves): これこそが、本格的なバターチキンカレーに欠かせない秘密兵器です!乾燥させたフェヌグリークの葉で、独特の苦味と甘み、そしてメイプルシロップのような香りが特徴です。仕上げに加えることで、料理全体の風味を格段に引き上げます。手で揉んで加えることで、より香りが立ちます。
これらのスパイスは、それぞれが単独でも魅力的ですが、組み合わせることで驚くほど複雑で豊かな風味を生み出します。特に、ホールスパイスを油で最初に炒める「テンパリング」や、パウダースパイスを油で香りを出すように炒める工程は、この本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載において非常に重要です。この「スパイスの魅力満載」の料理を、ぜひご家庭で体験してみてください。
成功のためのヒントとコツ
失敗しないためのポイント
- 鶏肉のマリネ時間を十分に取る: ヨーグルトとスパイスが鶏肉を柔らかくし、風味をしっかりと染み込ませます。最低2時間、理想は一晩です。
- 玉ねぎをじっくり炒める: 玉ねぎをしっかりと炒めることで甘みとコクが引き出され、グレービーの味わいが深まります。焦がさないように注意してください。
- トマトをしっかりと煮詰める: トマトの酸味を飛ばし、旨味を引き出すために、蓋をして弱火でじっくり煮込むことが重要です。
- グレービーソースは濾すのがベスト: 手間はかかりますが、濾すことで驚くほど滑らかで口当たりの良いソースになります。レストランのような仕上がりを目指すなら、ぜひ試してください。
- 仕上げのバターとクリームは火を止めてから: バターとクリームは風味が飛びやすく、分離しやすい性質があります。火から下ろすか、ごく弱火にしてから加え、混ぜ合わせるようにしましょう。
- カスリメティは忘れずに!: これがあるかないかで、本格度が大きく変わります。手で軽く揉んで香りを立たせてから加えてください。
- 味見をしながら調整する: トマトの酸味やスパイスの風味は個体差があります。砂糖や塩の量は目安として、最後に必ず味見をして調整してください。
付け合わせとバリエーション
本格的なインドのバターチキンカレーは、様々な付け合わせと相性が良いです。
- バスマティライス: 長粒米であるバスマティライスは、パラパラとした食感でクリーミーなグレービーソースによく合います。
- ナン または ロティ: インドのパンであるナンやロティは、ソースをすくって食べるのに最適です。焼きたてのナンがあれば最高ですね。
- アチャール: インドのピクルスであるアチャールは、少量加えるだけで味にアクセントを与えてくれます。
- ライタ: ヨーグルトを使ったさっぱりとしたライタは、濃厚なカレーの箸休めにぴったりです。
- 新鮮なパクチー: 刻んだパクチーを散らすと、彩りも風味もアップします。
バリエーション
- ベジタリアン向け: 鶏肉の代わりにパニール(インドのカッテージチーズ)や豆腐を使えば、美味しいベジタリアンバターカレーになります。パニールは焼いてから加えると形が崩れにくいです。
- 辛さの調整: レッドチリパウダーの量で簡単に辛さを調整できます。お子様向けには量を減らすか、完全に省略しても良いでしょう。
- ナッツアレルギー対応: カシューナッツやメロンシードの代わりに、少量のご飯をミキサーで混ぜたり、ココナッツミルク(風味は変わります)を使ったりすることで、とろみをつけることができます。

栄養情報と保存方法
バターチキンカレーは、その豊かな風味のためにバターやクリームを使用するため、カロリーはやや高めになります。しかし、鶏肉は良質なタンパク源であり、トマトやスパイスからはビタミンや抗酸化物質を摂取できます。全体として、バランスの取れた食事の一部として楽しむことが重要です。
保存方法: 冷蔵庫で保存する場合、清潔な密閉容器に入れ、3〜4日以内に食べきるのがおすすめです。冷凍保存も可能で、約1ヶ月程度保存できます。解凍する際は、前日に冷蔵庫に移すか、電子レンジの解凍機能を使用してください。
温め直し: 鍋に移して弱火でゆっくりと温め直すのが理想です。必要であれば少量の水や牛乳(または生クリーム)を加えて濃度を調整してください。電子レンジで温める場合は、時々かき混ぜながら均一に温めましょう。
まとめ
この本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載は、単に料理を作るだけでなく、スパイスが持つ奥深さや、伝統的な調理法が生まれてきた背景にある知恵を学ぶ機会でもあります。手間をかけるほどに、その報酬として得られる風味は格別です。
ヨーグルトとスパイスでじっくりマリネした鶏肉、玉ねぎとトマト、そしてナッツを丁寧に煮込んで濾した滑らかなグレービー、そして仕上げに加えるバター、クリーム、カスリメティ。これらの要素全てが組み合わさることで、あの忘れられないバターチキンカレーの味わいが生まれるのです。「スパイスの魅力満載」という言葉通り、それぞれのスパイスが層となり、複雑でありながらも調和の取れた風味を奏でます。
初めて本格的なインドカレーに挑戦する方も、いつもとは違うバターチキンカレーを作ってみたいという方も、ぜひこのレシピを試してみてください。キッチンに広がるスパイスの香りは、きっとあなたをインドの食文化の旅へと連れて行ってくれるでしょう。そして、一口食べた時に感じる、温かく、豊かで、心満たされる味わいは、きっと忘れられない体験となるはずです。
インドカレーの代表格であり、伝統料理としても、各国料理、そして世界の味の中でも特別な存在であるバターチキンカレー。この本格的なインドのバターチキンカレーのレシピ|スパイスの魅力満載の記事を参考に、ぜひご家庭で最高のバターチキンカレーを作り、大切な人と分かち合ってください。きっと、あなたの食卓に笑顔と感動が生まれることでしょう。
