日本の家庭で作れる中華春巻きの簡単レシピ
外はパリッと香ばしく、中は熱々とろりとしたあんがたまらない中華春巻き。中華料理店で食べるのはもちろん美味しいですが、「おうちでも揚げたてサクサクの春巻きを楽しみたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
「手作りは難しそう」「油で揚げるのが大変そう」と感じるかもしれませんが、ご安心ください!今回は、日本の家庭でも手軽に、失敗なく作れる中華春巻きの簡単レシピをご紹介します。特別な材料や複雑な工程は一切なし。普段の中華料理を作る感覚で、本格的な味わいを再現できます。
このレシピを使えば、忙しい日のクイックディナーの一品として、週末の家族みんなで楽しむ簡単な食事として、またはパーティーメニューとしても大活躍すること間違いなしです。さあ、一緒に美味しい春巻き作りに挑戦してみましょう!
春巻きとは? 日本で愛される伝統料理
春巻き(チュンジュエン)は、中国の伝統料理の一つで、立春の頃に新芽が出た野菜を具材として巻いて食べる習慣からこの名がついたと言われています。地域や時代によって様々なスタイルがありますが、一般的には薄い皮で具材を包み、揚げたり焼いたりして調理されます。
日本で「春巻き」として親しまれているのは、豚ひき肉やタケノコ、シイタケ、ニラ、春雨などを中華炒めにして、小麦粉で作られた四角い皮で包み、油で揚げたものが主流です。日本独特のアレンジも加えられ、今では日本の食卓にすっかり溶け込んだアジア料理の一つとなっています。
お惣菜屋さんや冷凍食品でも手に入りますが、やはり揚げたてのアツアツ、パリパリの食感は格別です。家庭で作ることで、具材を自分の好みにアレンジしたり、できたての美味しさをすぐに味わえるのが最大の魅力です。

なぜこのレシピは「簡単」なの?
「日本の家庭で作れる中華春巻きの簡単レシピ」と謳うには理由があります。
- 特別な材料が不要: スーパーで手に入る身近な食材ばかりを使います。乾物なども常備しやすいものを選びます。
- 下ごしらえがシンプル: 複雑な切り方や下処理は不要。基本の切り方でOKです。
- 炒め物はいつもの中華炒め: 春巻きの具材作りは、普段作る野菜炒めや中華炒めとほぼ同じ要領です。難しい火加減は必要ありません。
- 包み方は慣れれば簡単: 一見難しそうに見える春巻きの皮の包み方も、いくつかのポイントを押さえれば誰でもきれいに巻けるようになります。
- 揚げ方のコツを伝授: 油で揚げる際の温度管理や揚げる時間の目安をしっかりお伝えするので、失敗しにくいです。
これらの「簡単」ポイントを押さえることで、料理初心者の方でも気軽にチャレンジできるようになっています。一度作れば、きっとその手軽さと美味しさに驚くはずです。
材料(約10~12本分)
まずは材料を揃えましょう。冷蔵庫にあるものや、手軽に購入できるものばかりです。
具材
- 豚こま切れ肉 または 豚ひき肉: 150g
- 乾燥タケノコ(水煮でも可): 50g (乾燥の場合は戻したもの)
- 乾燥シイタケ(水煮でも可): 3~4枚 (乾燥の場合は戻したもの)
- ニラ: 1/2束 (約50g)
- ニンジン: 1/3本 (約50g)
- 春雨(乾燥): 20g
- 生姜: 1かけ (みじん切り)
- ニンニク: 1かけ (みじん切り)
調味料
- サラダ油 (炒め用): 大さじ2
- A) 醤油: 大さじ1.5
- A) オイスターソース: 大さじ1
- A) 砂糖: 小さじ1
- A) 鶏がらスープの素 (顆粒): 小さじ1
- A) 酒: 大さじ1
- A) こしょう: 少々
あんかけ用
- B) 片栗粉: 大さじ1.5
- B) 水: 大さじ3
- ごま油: 小さじ1
その他
- 春巻きの皮: 10~12枚
- のり用: 小麦粉 大さじ1 + 水 大さじ1 (混ぜておく)
- 揚げ油: 適量 (春巻きが半分浸かる程度)
材料選びのポイント:
- 豚肉はこま切れ肉を使うと、切る手間が省けてより簡単な食事になります。ひき肉でもOKです。
- タケノコとシイタケは乾燥を使うと風味が豊かですが、水煮を使えば下処理が楽になります。水煮を使う場合は、しっかり水気を切ってから使いましょう。
- 春雨は緑豆春雨など、細すぎないものがおすすめです。

作り方 ステップ・バイ・ステップ
さあ、いよいよ調理開始です。一つ一つの工程を丁寧に行えば、美味しい春巻きが完成します。
下準備
- 乾燥タケノコと乾燥シイタケは、たっぷりのぬるま湯に浸して戻しておきます。急ぐ場合は、耐熱容器に入れて電子レンジで加熱すると早く戻せます。戻し汁は後で使うので捨てないでください。(水煮の場合は、水気をしっかり切ります)
- 豚肉はこま切れなら1cm幅に切ります。ひき肉ならそのまま使います。
- 戻したタケノコ、シイタケ、ニンジンはそれぞれ細切りにします。ニラは1cm幅に切ります。
- 乾燥春雨は、袋の表示通りに熱湯で戻し、冷水にとって水気をしっかり切り、食べやすい長さに切ります。
- 生姜とニンニクはみじん切りにします。
- B)の片栗粉と水を混ぜ合わせ、水溶き片栗粉を作っておきます。
- のり用の小麦粉と水を混ぜておきます。
具材を炒める(中華炒めの要領で!)
- フライパンにサラダ油、生姜、ニンニクを入れて中火で熱し、香りが立ったら豚肉を加えて炒めます。色が変わるまでしっかりと炒めましょう。
- 豚肉に火が通ったら、ニンジン、タケノコ、シイタケを加えてさらに炒めます。野菜が少ししんなりするまで炒め合わせます。
- 春雨とニラを加えて軽く炒め合わせます。
- A)の調味料を全て加えて混ぜ合わせ、全体になじませながら炒めます。味見をして、必要であれば醤油や塩で調整してください。
- 全体に味がなじんだら、一度火を止め、B)の水溶き片栗粉をもう一度よく混ぜてから回し入れます。
- 再び火をつけ、混ぜながら加熱します。とろみがついたら、火から下ろします。
- 仕上げにごま油小さじ1を回しかけ、混ぜ合わせます。
- バットや大きなお皿に広げ、粗熱を取ります。急ぐ場合は冷蔵庫で冷ますと良いでしょう。具材が熱いままだと皮が破れやすくなります。
春巻きを巻く
- 春巻きの皮を菱形(角が自分の方を向くように)に置きます。
- 皮の手前側の角から少し離れたところに、冷めた具材を大さじ2~3杯分乗せます。横長に乗せると巻きやすいです。
- 手前の角を具材にかぶせるように折り上げます。
- 左右の角を中心に向かって折りたたみます。
- 手前から奥に向かって、空気が入らないようにしっかりと巻き込みます。
- 巻き終わり近くになったら、残った三角の部分にのり用の小麦粉と水を混ぜたものを塗り、しっかりと閉じます。
- これを繰り返して全ての春巻きを巻きます。

春巻きを揚げる
- 揚げ油をフライパンまたは揚げ物鍋に、春巻きの高さの半分〜1/3くらいまで入れ、170℃に熱します。菜箸を入れてみて、細かい泡がシュワシュワと上がるくらいが目安です。
- 春巻きを巻き終わりを下にして、一度に揚げるのは3〜4本程度にします(鍋の大きさに応じて調整)。入れすぎると油の温度が下がり、カラッと揚がりません。
- 最初はあまり触らず、片面がきつね色になったら裏返します。
- 両面がきつね色になり、全体がパリッと揚がったら、油から引き上げます。揚げ時間の目安は片面2~3分ずつ、全体で5~6分程度です。
- 揚げあがった春巻きは、網に乗せて油を切ります。キッチンペーパーの上に置くよりも、網の方がカリッと仕上がります。
- 残りの春巻きも同様に揚げます。

美味しく作るためのコツ
この簡単な食事をさらに美味しくするためのちょっとしたコツをご紹介します。
- 具材はしっかり冷ます: 熱い具材を皮で包むと、皮が柔らかくなりすぎて破れやすくなります。必ず粗熱を取ってから包みましょう。
- 具材の水分を飛ばす: 炒める際にしっかりと水分を飛ばし、水溶き片栗粉でとろみをつけることで、揚げる時に水分が出にくくなり、皮が破れるのを防ぎ、パリッと仕上がります。
- 皮は乾燥させない: 春巻きの皮は非常に乾燥しやすいので、使う時以外は袋に入れたり、湿らせたキッチンペーパーをかけておきましょう。
- 巻き終わりはしっかりと: 巻き終わりが剥がれないように、のりをしっかりと塗り、押さえて閉じましょう。剥がれると揚げている間に具材が出てきてしまいます。
- 揚げ油の温度を一定に: 低すぎるとベタつき、高すぎると焦げ付きの原因になります。170℃前後をキープするのが理想的です。
- 揚げすぎに注意: 中の具材は火が通っているので、皮がきつね色になりパリッとしたら揚げすぎないようにしましょう。
アレンジとバリエーション
この基本のレシピをマスターしたら、色々なアレンジで「日本の家庭で作れる中華春巻き」を楽しんでみましょう。
- 具材を変える:
- シーフード: エビやイカを加えて豪華に。
- 野菜たっぷり: キャベツやモヤシ、キノコ類などを増量。
- 簡単な食事なら残った野菜の切れ端を活用。
- 豚肉を鶏ひき肉に変えても美味しいです。
- 味付けを変える:
- カレー風味: 炒める際にカレー粉をプラス。
- ピリ辛: 豆板醤やラー油を加えて刺激的に。
- 揚げ方を変える:
- 少量油で揚げ焼き: フライパンに少なめの油を熱し、時々返しながら揚げ焼きにすれば、油の後片付けが少し楽になります。
- ノンフライヤー/オーブン焼き: 揚げ油を使わずにヘルシーに仕上げたい場合は、表面に薄く油を塗ってノンフライヤーやオーブンで焼くことも可能です。(ただし、揚げたてのようなパリパリ感は少し劣ります)
自分好みの「我が家の春巻き」を見つけるのも楽しいですね。

春巻きをもっと知ろう!
春巻きの歴史や地域による違いなど、さらに詳しく知りたい方は、Wikipediaの春巻きのページも参考にしてみてください。食文化の背景を知ると、日々の食事がさらに豊かなものになります。
春巻きに合う献立
クイックディナーや簡単な食事として春巻きを作る場合、他にどんな料理を合わせれば良いでしょうか。やはりアジア料理でまとめて献立を考えるとバランスが良いです。
- ご飯: 白ご飯は必須!揚げ物にはご飯が進みます。
- スープ: 卵スープ、ワカメスープ、中華風コーンスープなど、さっぱりとしたスープが合います。酸辣湯なども良いでしょう。
- サラダ: 棒棒鶏サラダや春雨サラダなど、中華風のサラダ。またはシンプルにレタスやキュウリのサラダも箸休めに良いです。
- 副菜: 餃子や焼売などの点心、麻婆豆腐、エビチリなど、他の中華炒めものや煮物もよく合います。野菜中心なら、青菜の炒め物やおひたしなどもおすすめです。
このレシピは具材の量がたっぷりなので、1人あたり2~3本食べれば十分満足できるボリュームになります。ご飯とスープ、簡単な副菜を組み合わせれば、立派なクイックディナー献立の完成です。
保存と温め直し
もし春巻きが余ってしまった場合や、まとめて作っておきたい場合は、以下の方法で保存できます。
揚げる前
- 巻いた春巻き同士がくっつかないように間隔をあけてバットなどに並べ、ラップをかけて冷凍します。凍ったら保存袋に移しましょう。
- 揚げる際は、解凍せずに凍ったまま160℃くらいの低めの油に入れ、じっくり揚げてください。
揚げた後
- 完全に冷ましてから、1本ずつラップで包むか、重ならないように保存容器に入れて冷蔵または冷凍します。
- 冷蔵の場合は1~2日、冷凍の場合は2週間~1ヶ月を目安に使い切りましょう。
温め直し
- オーブントースター: アルミホイルを敷いて、焦げ付かないように様子を見ながら温めます。揚げたてに近いパリッと感が戻ります。
- 電子レンジ+オーブントースター: 電子レンジで軽く温めてから(中の具材を温める)、オーブントースターで焼くと手早く仕上がります。
- フライパン: フライパンに少量の油を熱し、弱火で転がしながら温め直してもOKです。
温め直し方によって食感が変わるので、お好みの方法を見つけてください。
まとめ:おうちで揚げる喜びを
今回は「日本の家庭で作れる中華春巻きの簡単レシピ」をご紹介しました。身近な材料と基本的な中華炒めの技術を使えば、難しそうに見える春巻きも意外と手軽に作れることがお分かりいただけたかと思います。
手作りの揚げたて春巻きは、市販品では味わえない格別の美味しさです。外はサクサク、中はとろりとした餡。噛むたびに広がる香ばしさと具材の旨みは、一度味わったら忘れられません。家族や友人と一緒に作ったり、揚げたてをみんなで囲んで食べたりするのも、食卓が笑顔でいっぱいになる素敵な時間です。
アジア料理の中でも人気の高い春巻きを、ぜひこの簡単な食事レシピでマスターしてみてください。忙しい日のクイックディナーに、休日の楽しみに、あなたの食卓に美味しい伝統料理を取り入れてみませんか?
この記事が、あなたの春巻き作りへの第一歩となり、美味しい体験に繋がることを願っています。